Western Digitalの日本法人であるウエスタンデジタルジャパンは2019年1月16日から18日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている、自動運転、クルマの電子化・電動化、コネクティッド・カー、軽量化など、自動車業界における先端テーマの最新技術が一堂に介する展示会「オートモーティブ ワールド 2019」において、自動車分野に向けたNAND型フラッシュメモリの活用事例の紹介などを行っている。

自動運転に向け、さまざまなセンサから膨大な量のデータが生み出されるようになってくる。そのため、自動車内部におけるストレージに対するニーズは年々高まってきているといえる。

これまで自動車向けストレージというと、クラスタやインフォテイメント、ドライブレコーダといったような、画像関連のコンポーネントで使われてきたが、自動運転時代を見据え、そうした複数のコンポーネントを1つの機能ドメインとしてまとめ、1つのSoCと1つのストレージで、ハイパーバイザを介して対応しようという動きがすでに欧州を中心に見られ始めているという。

そうなると、使われるストレージの容量も必然的に大容量なものが求められることとなる。特にMaaSや、フリート(商用車)のような、それこそ四六時中走り回る場合は、生み出されるデータも膨大なものとなるので、より大きな容量が必然的に求められることとなる。また、そうしたデータが、分析・解析され、必要なものはデータセンターに送られるため、データセンター側のストレージニーズは今よりも高まることが期待できる。

その一方で信頼性を担保することも求められるようになる。そうしたニーズに対応するためにMLCをSLC的に使えるようにすることも現在では可能となっている。同社では、こうした多様なニーズに対し、「データソリューションのメーカーとして、エッジからクラウドまでのストレージソリューションを提供していく」としており、今回の自動車分野の活用事例も、現状、もしくは近い将来に必要となるものを中心に紹介が行われている。

  • 車載ストレージ
  • 車載ストレージ
  • 車載ストレージ
  • 自動運転時代にストレージが活用されるシーンはこれまで以上に多岐にわたる。また、その容量や形態などもニーズに応じてさまざまなものが求められることとなる

また、エコシステムのパートナーソリューションとして、ルネサス エレクトロニクスのR-Car(eMMCを提供)や、Qualcomm(UFSを提供)のボードによるデモなども行われている。

  • ルネサスのR-Car Starter Kit

    ルネサスのR-Car Starter Kitによるデモ。搭載されているeMMCが同社製

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    QualcommのSnapdragonを用いたデモ。搭載されているUFSが同社製

さらに、あくまで模擬的なものだが、同社の最新世代の技術となる96層の3D NANDの構造を理解してもらうためのモックアップも展示されているほか、ブースセミナーを受講し、ブース内にあるヒントをもとにクイズに答えると、同社のオリジナルグッズがもらえるガチャに挑戦することもできる。こちらは、同社ブランド(SanDisk含む)のUSBメモリやmicroSDカードなども景品として入っているとのことである。

  • 3D NAND

    3D NANDの構造を説明するためのモックアップ。照明の色はリモコンで変更可能。層数的には96層はないのは見て分かる(実はもっと層数のあるモックも存在しているとのこと)が、あくまで構造をイメージしてもらうことが目的なので、厳密には作られていない

  • ガチャ

    同社オリジナルグッズなどが当たるガチャ。挑戦するにはクイズに答える必要がある