人工衛星向け「AWS Ground Station」発表

11月27日(米国時間)、mazon Web ServicesのCEOであるAndy Jassy氏はAWS re:Invent 2018の記者発表会で、人工衛星向けプラットフォームサービス「AWS Ground Station」を発表した。これは人工衛星からのデータダウンロードや人工衛星へのコマンドアップロードなどに利用できる世界規模のクラウドプラットフォーム。世界中のAWSデータセンターの近くに通信用のアンテナを備えた基地局を設置し、世界中で人工衛星との通信を可能にするとしている。

  • AWS Ground Station - 資料: Amazon Web Services提供

    AWS Ground Station

人工衛星は現在の社会に欠かすことのできないシステム。地球の軌道上を回り続ける人工のデバイスで、通信衛星、気象衛星、放送衛星、観測衛星、科学衛星、航行衛星、軍事衛星などさまざまな目的の衛星が運用されている。社会はこうした人工衛星から得られるデータを活用しながら社会運用を行っており、現段階で数千に上る人工衛星が地球軌道上を周回している。

人工衛星はその特徴から常に地球軌道上を移動しており、一定の場所にとどまっていない。地表側と通信できる場所も限られており、人工衛星が常にデータを得ていたとしても、それを地表側に送信するには送信可能な場所に到達するまで待たなければならない。

AWS Ground Stationはこうした問題に1つのソリューションを提供することになる。AWSは世界中の同社のデータセンターの近くに人工衛星と通信するためのアンテナと基地局を設置して、こうしたアンテナを通して人工衛星との通信が可能になるとしている。受信されたデータは近くのデータセンターで収集して処理されることになる。

世界中にデータセンターおよびクラウドサービスを提供しているという同社の強みを生かし、世界中に人工衛星との通信網を構築することが同サービスの大きな特徴。Andy Jassy氏はこのサービスを利用することで事業者が地上に通信用の基地局を設置して運用する場合と比較してコスト削減が可能になるとしている。

基地局を設置する資本的余裕のない組織の場合、現在は基地局運用に関して長期契約を結ぶ必要があるが、AWS Ground Stationを利用すれば必要な時だけAWS Ground Stationと契約すればよく、高い費用対効果が見込めるとしている。

発表段階で開発が進んでいるのは1対の基地局で、2019年中期には12個の基地局を運用する予定とのこと。基地局はAWSリージョンに結び付けられ、人工衛星から得られたデータは特定のEC2インスタンスでシグナル処理が行われる。