日本IBMは10月12日、イベント管理プラットフォームであるオープンソースのApache Kafkaを拡張し、企業向けに使いやすさ、管理機能、耐障害性を追加した「IBM Event Streams」を提供開始した。参考価格は、クラウドサービスの最小構成で月額1061円(税別)~。

新サービスの利用により、即応性の高いイベント駆動型アプリケーションをクラウドサービスとして使用することも、オンプレミスで容易に構築でき、優れた顧客体験を提供可能になるという。

特徴として同社は「本番環境で使用可能なApache Kafkaを数分で構築可能」「ミッション・クリティカルな環境に最適な災害復旧とセキュリティ機能の提供」「Apache Kafkaに管理機能とスケーラビリティの提供」「既存データの利用促進」の4点を挙げる。

本番環境で使用可能なApache Kafkaの構築に関しては、同サービスにより、Apache Kafkaが提供するイベント管理プラットフォームの機能を利用できる。容易に導入・構成を可能とし、Apache Kafkaを本番環境で使用する際に必要となる複数コンポーネントの複雑な構成とデプロイの作業が不要となる。ミドルウェアの導入と管理に時間を割くのではなく、即応性の高いイベント駆動型のアプリケーション構築に集中できるという。

災害復旧とセキュリティ機能については、同サービスは企業のアプリケーションに必要な高度なセキュリティを備えたイベント管理プラットフォームのため容易に構成できるGeoレプリケーション機能を使用して異なるロケーションにあるクラスタ間でトピック・データを複製できることから、災害時にも迅速な復旧を可能としている。

管理機能とスケーラビリティに関しては、システムの稼働状況を監視し、問題が発生した場合には効率的にアプリケーションを診断でき、同サービスの利用により、Apache Kafkaのトピックを流れるデータ・フローを可視化し、時間経過におけるハイレベルなスループットの傾向から、個別のメッセージのコンテンツまで把握できるという。

既存データの利用について、同サービスはIBM MQやIBM App Connect Enterprise (旧名称は「IBM Integration Bus」)などの既存システムに対する接続を提供し、既存の投資やスキル、データを利用し、イベント駆動型の技術を使用することで、即応性が高くパーソナライズした体験の提供を可能としている。

新サービスにより、IoT、Webサイト・トラッキング、バックエンド・システムなどで発生する大量イベントを収集し、データ分析に役立てられるほか、クラウド・ネイティブ・アプリエーションにイベントを送ることで、優れた顧客体験を提供するアプリケーションの構築ができるという。