米Appleは12日(現地時間)、HomePodの新機能および対応言語の追加を発表した。無料のソフトウェアアップデートにより、アメリカ・スペイン・メキシコにてスペイン語に対応。カナダの一部で使われているカナディアンフレンチにも対応する。また、iOS 12で搭載される「Siriショートカット」機能もHomePodから使用することが可能となる。

HomePodのSiriが強化、ショートカットにも対応

HomePodはApple Musicの5千万以上の楽曲を直接ストリーミング再生することが可能。新たにSiriで「(歌詞)〜〜という曲をかけて」と、歌詞で楽曲を検索することに対応。また、ポッドキャストのストリーミング再生にも対応する。

  • 少しずつ対応言語を広げているHomePod。今回も日本語に関するアナウンスはなかった

電話の発信・着信にも対応する。連絡先にある相手なら「○○に電話をかけて」、あるいは直接電話番号を言えば発信。iPhoneへの着信は自動的にHomePodにも送られ、Siriに電話に出てと言うことで通話できる。iPhoneのオーディオピッカーにより、いつでもHomePodからiPhoneへ通話を移動させることが可能だ。

また、Apple Watchで好評の「iPhoneを探す」機能がHomePodからも使えるようになる。これは近くにあるはずなのに見当たらないとき、iPhoneに「ポーン」という音を鳴らすことで見つけやすくするもの。よく使われるタイマー機能も強化され、複数のタイマーを並行してセットすることができるようになる。

  • iPhoneが手元にない時でもHomePodからSiriでホームキットの家電を操作できる

さらに、iOS 12で新たに搭載される「Siriショートカット」もHomePodから動作させることが可能。Siriショートカットは、定例的に行ういくつかのアプリ操作をひとつのワードで自動的に動作させるというもの。例えば「Hey Siri, good morning」と言えば朝のルーティーンが動作し、コーヒーショップアプリから注文し、ホームアプリからキッチンの照明をつけ、その日のカレンダーの予定を伝える、といった形だ。iPhoneが声の届く位置になくても、部屋にあるHomePodから操作が可能となる。Siriショートカットの内容はiOSに新たに追加される「ショートカット」アプリを使ってカスタマイズする。

音響機器としてのHomePod

HomePodは最初に発表された際、単にスマートスピーカーとしてだけでなく、Apple設計によるオーディオ技術とソフトウェア技術によって、高いサウンドクォリティを提供するものであることが強調された。

  • 意外な発想というべきか、HomePodのステレオペア機能

今回はさらに、2つのHomePodをステレオペアとすることで、より没入感のあるリスニング体験を提供するという。HomePodが空間認識により部屋の中で自身の置かれた位置を把握し、それぞれのHomePodが自動的に音を調整することで、どこに置かれていても最適な音響を実現する。また、AirPlay 2によって複数の部屋をまたぐワイヤレスオーディオシステムを構築することも可能だ。

  • コントロールセンターから各部屋のオーディオ再生を操作できる

価格と販売状況

HomePodは現在、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツで販売中。10月26日より新たにメキシコとスペインでも取り扱いが始まる。カラーはホワイトとスペースグレイの2種類。価格は349ドルとなっている。

HomePodの使用には最新版にアップデートしたiOSデバイスが必要。iPhone 5s、iPad Air/iPad mini2以降に対応する。ソフトウェアアップデートは9月17日より提供される予定。初期設定で自動的にインストールされるようになっている。