米Googleは9月4日 (現地時間)、Webブラウザ「Chrome 69」(Windows/Mac/Linux/Android/iOS)の安定版を公開した。同社は2008年9月にChromeのベータ版を初公開しており、Chrome 69は10周年の節目のリリースだ。全てのプラットフォームに新デザインを導入、Omniboxやパスワード管理、タブのカスタマイズなど様々な機能の強化・改善を行っている。

新デザインはMaterial 2デザインに従った、シンプルで効率的に操作できる改良になっている。例えば、タブの角を丸くするなど、丸みのあるデザインを随所に取り入れた。タブの場合、角丸によってアクティブなタブが見分けやすく、タブに表示されたWebサイトのアイコンを認識しやすい。モバイル版では、iOS用でツールバーがタップしやすい画面下に移されるなど、ブラウジングを効率化する改良が行われた。また、全てのプラットフォームで、プロンプトやメニュー、アドレスバーのURLなど、様々な部分が簡素化されている。例えば、これまでHTTPS接続で表示していた「保護された通信」という表記を止めて、鍵アイコンのみでHTTPS対応サイトを示している。

  • Android版Chrome 69

    Android版Chrome 69、検索ボックスやアイコンが角丸に

  • iOS版Chrome 69

    ツールバーにアクセスしやすくなったiOS版Chrome 69

パスワードや住所、クレジットカード番号などのフィルイン機能の精度が向上。これらの情報にChromeツールバーから直接アクセスできるようになった。また、安全なパスワードをChromeが生成する機能が追加された。生成されたパスワードはGoogleアカウントで管理され、それらは同じアカウントで使用する全てのChromeブラウザでパスワード管理機能から入力できる。

  • パスワード管理機能

    安全にパスワードを管理できる機能を、より便利に

URLバーと検索バーを兼ねたOmniboxにスマートアンサー機能が加わった。スポーツの結果、天気、外国語の意味といった簡単に答えられる検索については、入力に応じて検索キーワードやWebサイトなどを提案するドロップダウンに情報を表示する。検索結果の新しいページに移動することなく、すばやく目的の情報を得られる。また、複数のブラウザウィンドウでたくさんのタブを開いて目的のタブがどこにあるか分からない時に、Omniboxで検索して移動できるようになった。近い将来に、Google Driveの検索もサポートするという。

  • Omnibox

    「チラノザウルスが生きていたのはどのくらい昔?」という検索に対して、答えをOmniboxに表示

カスタマイズ機能は、Webサイトのショートカットの作成・管理が改善された。新しいタブから直接行える。また、新しいタブの背景に、好きな画像を設定してカスタマイズできるようになった。

Chrome 69アップデートでのセキュリティ修正は40件。その内の7件が深刻度「High」に分類されており、5,000ドルの賞金を支払った「CVE-2018-16065」を含む。