Excelのマクロ機能とは?

今回は、Excel(エクセル)の特徴的な機能である「マクロ」の基本的な使い方について確認していきます。Excelに搭載されているマクロとは、複数の操作手順を記録して自動的に実行できる機能です。頻繁に行っている複雑な操作をマクロとして記録しておけば、作業時間を大幅に短縮できます。今回はその一例として、フィルターを設定して表示項目を絞り込むという操作をマクロに記録して自動化してみます。基本的な使い方を覚えておけば、もっと複雑な操作手順も簡単に自動化できるので試してみてください。

本連載では、「よく使うけど忘れやすいMicrosoft Officeの操作」をキーワードに、Officeアプリケーションの使い方を解説していきます。記事の制作には、執筆時点で最新の状態にアップデートしたMicrosoft Office 2016を使用しています

マクロ記録を始める準備

では操作例を紹介していきます。今回は、「オートフィルター」機能で表示項目を絞り込むという操作をマクロに記録してみます。まずはフィルターを設定したい行(見出し行など)のセルを選択し、「データ」タブのリボンにある「フィルター」アイコンをクリックします。選択した見出し行の各セルに「フィルター」ボタンが付きます(図1)(図2)。

  • (図1)マクロ記録をする前の準備を進めます。今回の例では、フィルターを設定するところまで

  • (図2)事前準備が完了しました

続いて、マクロ記録を開始するまでの手順です。「ファイル」メニューをクリックして(図2)、左側に並ぶ項目の一番下にある「オプション」をクリックします(図3)。

「Excelのオプション」画面が表示されるので、画面左の「リボンのユーザー設定」をクリック。画面右の「リボンのユーザー設定」欄では「メインタブ」が選択された状態になるので、「開発」のチェックをオンにして「OK」ボタンをクリックします(図4)。

  • (図3)「ファイル」メニューから「オプション」をクリック

  • (図4)「Excelのオプション」画面から「開発」の項目を有効にします

「マクロの記録」を開始する

メニューに「開発」タブが表示され、マクロ記録の準備が整いました。「開発」タブのリボンに切り替えて、「マクロの記録」アイコンをクリックします(図5)。「マクロの記録」画面が表示されるので、「マクロ名」にわかりやすい名前を入力して「OK」をクリックします(図6)。

  • (図5)「開発」タブのリボンに「マクロの記録」アイコンが

  • (図6)わかりやすいマクロ名を登録します

いよいよマクロ記録が始まりました。自動化したい一連の操作を実行していきましょう。今回の例では、「担当者」を入力した列の表示項目を「山田」に絞り込んでみました(図7)。マクロ記録したい作業が完了したら、リボンの「記録終了」アイコンをクリックします(図8)。

  • (図7)マクロ記録がスタート。自動化したい操作を行っていきます

  • (図8)作業が完了したら「記録終了」ボタンを押します

マクロを実行する

では早速、記録したマクロを実行してみましょう。まずは、「開発」タブを選択して「マクロ」アイコンをクリックします。「マクロ」画面に作成したマクロが一覧表示されます(図9)。実行したいマクロ名(今回の例では「山田備品購入記録)を選択して、「実行」ボタンをクリックしましょう(図10)。

すると、マクロが実行され、「担当者」が「山田」の項目のみが表示されました(図11)。今回の例はシンプルな操作手順なのでそれほど大きな効果は感じられないかもしれませんが、複雑な操作を記録して実行させるとその便利さがわかるはずです。

  • 図9 「マクロ」アイコンから記録した作業一覧を呼び出す

  • 図10 マクロ名を選択して、「実行」ボタンをクリック

  • 図11 記録した通りの作業を自動的に実行しました

シートにボタンを作成してマクロを実行

作成したマクロを実行させるためのボタンを作成して、Excelのシートに配置しておくと、ワンクリックで実行できて便利です。複数のマクロのボタンを作成して、使い分けることも可能なので、工夫次第で作業の大幅な効率化を実現できるでしょう。

では以下、マクロをボタンから実行させる手順を紹介します。「開発」タブをクリックしてリボンを切り替え、「挿入」アイコンから「フォームコントロール」を表示させます(図12)。使いたいデザインのボタンをクリックして、シート上にドラッグ&ドロップします(図13)。

  • 図12 「開発」タブの「挿入」から「フォームコントロール」を呼び出します

  • 図13 「フォームコントロール」から使いたいボタンをシート上にドラッグ&ドロップします

すると、「マクロの登録」画面が表示されるので、実行させたいマクロを選択して「OK」ボタンをクリックします(図14)。ボタンの名称をわかりやすく変更して(図15)、使いやすい場所にドラッグ&ドロップで配置し直すとよいでしょう。ボタンをクリックするとマクロで記録した操作が実行されます(図16)。

  • 図14 実行したいマクロを登録します

  • 図15 ボタンを任意の名前に変更します

  • 図16 ボタンを押すと、マクロが自動実行されます