Appleは6月4日(現地時間)、WWDCの基調講演にて新しい「watchOS 5」の機能を紹介した。主な新機能としては、アクティビティの競争、自動ワークアウト検出、通話機能「Walkie-Talkie(トランシーバー)」、サードパーティ製アプリへのSiri ウォッチフェイスからのアクセスなど。

  • 基調講演ではiOS・macOS・tvOSと共に新しいwatchOSが紹介された

watchOS 5はこの秋、Apple Watch Series 1以降に対して無料アップデートとして提供される。ただし、Series 1とされていない初期のApple Watchでは利用できない。

「アクティビティ」で家族や友人とポイント競争

アクティビティには、他のApple Watchユーザーとリングの状態をお互いにシェアできる共有機能があるが、watchOS 5では他のユーザーを招待して7日間の”競争”を行うことが可能になる。これはアクティビティリングを閉じることで獲得するポイントを競うというもの。期間中はスコアを基に、パーソナライズしたコーチングの通知が届く。勝利した場合はその都度、iPhoneの「アクティビティ」アプリに新設される「Awards」タブにバッジが追加される。

  • アクティビティを共有するだけでなく、ポイントで競争することが可能に

ワークアウトでは、人気のある種目についてユーザーが動き始めると自動的にそれを検知してアラートを通知、動き始めにさかのぼって計測を開始できる。同様に、活動が一定時間行われなかった場合にワークアウトを自動的に終了する機能にも対応する。また、ワークアウトの種目としてヨガ、ハイキングが追加される。

  • ハイキングではリアルタイムで高度が表示される

さらに、ランナー向けの機能がより充実する。屋外ランニングには「ペースアラート」機能が追加。これは目標ペースを設定すると速すぎたり遅すぎたりする場合にApple Watchがタップで通知する。1分間当たりの歩数を示す「ケイデンス」計測値も表示(ウォーキングにも対応)。また、ペース表示は平均ペースまたは現在のペースに加え、直前の1マイルのスプリットタイムを表示する「ローリングマイルペース」も追加される。

手軽でライブに話せる、新しい「トランシーバー」機能

全く新しい機能として紹介されたのが、1対1の通話を素早くつなげる「Walkie-Talkie(トランシーバー)」。Walkie-Talkieとは、日本語ではトランシーバーと言われる無線機のこと。Apple Watch上でアプリを開くとよく使う連絡先が表示され、通話したい相手を選択しプレスするだけで通話ができるというものだ。Wi-Fiまたはセルラーで通信が可能。

  • プレスするだけで簡単に相手と通話できる「Walkie-Talkie(トランシーバー)」機能

新しくApple Watch用のPodcastアプリが登場。お気に入りに入れた番組のストリーミング再生に対応し、再生中のエピソードはその他のデバイスと自動的に同期される。

Siriウォッチフェイスと通知機能がより実用的に

機械学習により、Siri ウォッチフェイスがより進化。毎日の日課、場所、ワークアウト後の心拍数、適切な通勤時間、好きなチームの試合のスコアといった情報から、予測に基づいたショートカットを適切な時刻に表示。ここには「Nike+ Run Club」「Mobike」といったサードパーティ製アプリの通知も表示され、通知画面から直接アクションすることも可能になる。

通知機能では、サードパーティ製アプリからの通知について、そのアプリを開くことなく通知上でインタラクティブな操作が可能になる。Apple純正のアプリ(例えば「リマインダー」の通知上でチェックをつけられるなど)に搭載されていた機能がサードパーティにも開放された格好だ。

  • Siriウォッチフェイスの精度が向上し、行動の先を予測した情報や通知を表示する

米国内の一部の大学にて、Apple Watchが学生証として利用できるようになる。IDカードをウォレットに追加することで、図書館や宿舎、イベントなどへのアクセスのほか、食事やランドリーなどの支払いも可能になる。デューク大学、アラバマ大学、オクラホマ大学で今年の秋から、またジョン・ホプキンス大学などで今年中に利用が可能となる。

新しいバンドと文字盤の追加

LGBTQ支援団体をサポートする「The Pride Edition」ウーブンナイロンバンドを新たに発売。これに合わせた文字盤が無料で提供され、Apple Watchアプリの文字盤ギャラリーから利用が可能となっている。また、スポーツバンドにも新色が追加された。こちらも当日より発売開始。バンドはいずれも日本のApple公式サイトにおいてもすでに販売が始まっている。

  • 「The Pride Edition」ウーブンナイロンバンド。売り上げの一部はLGBTQ支援団体に寄付される