宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、同機構の「戦略的中型計画」の候補ミッションである次世代赤外線天文衛星 SPICA(スピカ)について、5月7日、欧州宇宙機関(ESA)が宇宙科学プログラム コスミック・ビジョン中型ミッション(Mクラス)5号機(M5)の候補のひとつに選択したと発表した。

SPICAは、極低温に冷却した口径 2.5m の大型赤外線望遠鏡を宇宙に打ち上げ、宇宙観測を行う計画。これまでより高い感度で赤外線観測を行い、従来観測できなかったガスやダストを大量に含む銀河を調べ、その進化を解明することや惑星系が誕生・進化する過程等を明らかにすることを目的としている。

SPICA実現のために不可欠な技術である極低温冷却技術は、JAXAがこれまでに蓄積してきた強みを持つ技術を発展させ適用するもの。また、日本のSPICAチームにて、搭載する機器や観測装置の提案を行うなど計画検討を積極的に進めてきた。今後JAXAでは、戦略的中型計画の候補 ミッションのひとつとして、国内外の協力機関・研究者とともに引き続き計画を進めていく予定だとしている。

なお、SPICAは、JAXAが全国の大学・研究所や、ESAをはじめとして海外の研究機関・大学ともに推進する国際共同ミッション。このたび候補となった3つの計画から、2021年にはひとつのミッションが最終選抜される予定となっている。