本連載では、「よく使うけど忘れやすいMicrosoft Officeの操作」をキーワードに、Officeアプリケーションの基本操作や各種機能の使い方を解説していきます。今回は、Excelに用意されている計算機能から、基本中の基本となる「掛け算」の方法を確認していきます。セル内に数式を入力したり、「PRODUCT」関数を用いたりと、多様な方法で掛け算を行いましょう。

本連載は、記事執筆時点で最新の状態にアップデートしたMicrosoft Office 2016をもとに制作しています

数式に使うのは「×」ではなく「*」

Excelを使って掛け算をする場合、まず覚えておきたいのはセル内に直接数式を入力するやり方です。ちょっとした計算を行いたいとき、計算機代わりにExcelを使う人も少なくありません。セルを選択したら「=」の後ろに掛け算の「×」に該当する記号「*」を使って、数式を入力していきます。

  • セルを選択したら「=」を入力し、その後ろに数式を記述していきます。掛け算を行う場合は「*」を使います。ここでは例として「=522*165」と入力してみました

  • 数式を入力して[Enter]キーを押すと計算が実行され、セル内に結果の数値が入力されます。簡単に答えを確認できるのでちょっとした計算をしたい場合に有効です

  • セルを指定して掛け算を実行することも可能です。「=」を入力してから、セルをクリックすると(ここではA2)、数式にセルのアドレスが入力されます

  • セルのアドレスが入力されたら「*」を入力し、別のセルをクリックします(ここではB2)。これで「=A2*B2」という数式になるので、[Enter]キーで実行しましょう

  • 「A2」セルの数値と「B2」セルの数値を掛けた値が表示されました。Excelを使った四則演算の基本といえる手順なので忘れないようにしましょう

「PRODUCT」関数で掛け算を行う

Excelには掛け算(積算)を行う「PRODUCT」関数も用意されています。多数のセルを使って掛け算を行いたい場合はこの関数を利用するとよいでしょう。

  • 計算を実行したいセルを選択したら「=PRODUCT(」と入力します

  • 掛け算を行いたいセルをクリック(ここではC2)。「=PRODUCT(C2」となるのでその後ろに「,」(半角カンマ)を入力します

  • 「=PRODUCT(C2,」となったら、別のセルをクリックして数式にセルのアドレスを入力します(ここでは「A5)。最後に「)」(半角カッコ)を入力して数式を完成させます

  • [Enter]キーを押すと数式が実行され、「C2」セルの値に「A5」セルの値を掛けた値が表示されます。ちなみに、今回の例では「86130×0.1(10%)」なので「8613」になっています

  • 引き算「-」も使ってみます。ここまでの手順で単価(A2セル)と購入個数(B2セル)を掛けた合計金額をC2セルに表示し、10%の割引額(A5セル)を計算(B5セル)しているので、「C5」セルに「=C2-B5」という数式を入力して合計金額から割引額を引いた金額を表示させます

  • [Enter]キーを押すと数式が実行されます。今回は掛け算(*)と引き算(-)を使っていますが、足し算(+)、割り算(/)なども使って計算の自動化・効率化を図りましょう

  • ちなみに「PRODUCT」関数では、複数のセルを範囲選択して積算させることも可能です。たとえば「=PRODUCT(」と入力してから複数のセル(ここではA8~D8)をドラッグすると、「=PRODUCT(A8:D8」となります。これは「A8セル×B8セル×C8セル×D8セル」という意味です

  • 「,」で区切れば、さらに別のセルの値を掛けることができます。カッコを閉じて数式を完成させたら[Enter]キーを押して実行しましょう

  • 画面の例では「=PRODUCT(A8:D8,A11)」が実行され、125×12×1.1(110%)×26×35の値「1501500」が表示されました