日本マイクロソフト 執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長 兼 働き方改革推進担当役員 手島主税氏

日本マイクロソフトは11月21日、異業種連携によるミレニアル世代の働き方改革推進コミュニティ「Millennial Innovation for the Next Diverse Society(略称:MINDS)」を、2019年1月1日に発足すると発表した。

同プロジェクト発足は、日本マイクロソフトの働き方改革に関する戦略「働き方改革NEXT」から派生したものとなる。執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長 兼 働き方改革推進担当役員の手島主税氏が、その背景について説明した。

手島氏はIDCの調査結果を引き合いに出し、「今後3年間で、現在の仕事の89%がデジタルテクノロジーの影響を受ける。これは、今までとは異なるワークスタイルが必要となることを意味しており、企業はその準備をしなければならない」と指摘した。

日本マイクロソフトでは時代と共に働き方改革に取り組んできたが、以前は福利厚生の一環として、いわば「弱者救済」という側面から推進してきたが「この形の働き方改革は規制を生んだだけ。われわれは身をもって体験した」と手島氏。これを受け、現在は「重要な経営戦略」として働き方改革に取り組んでおり、「いつでも、どこでも、誰とでも」と、人間の関係性を変革するための活動を行っている。

さらに、これからのテーマとして、働き方改革を「社会要請、社会基盤」として取り組むことを掲げている。

  • 日本マイクロソフトの「働き方改革 NEXT」のコンセプト

手島氏は「働き方改革 NEXT」の軸として「最前線で働く人々」「ミレニアル世代(現在、18歳から35歳までの人)」「2020年 教育改革」を挙げた。つまり、万人にとって新たな働き方を創出することを目指す。

加えて、手島氏はさまざまな調査結果から、2025年の日本において、ミレニアル世代の労働人口は580万人に上ることを示し、イノベーションを創出するミレニアル世代を対象とした働き方改革は重要性が高いことを訴えた。

こうした背景から、ミレニアル世代の働き方改革を推進するコミュニティとして、「MINDS」が発足したことになる。同日時点で、日本マイクロソフトのほか、味の素、カブドットコム証券、電通デジタル、日本航空、パナソニック コネクティッドソリューションズ社、JR東日本、三菱自動車工業がMINDSに参画することを表明している。

  • 「MINDS」の概要

  • 「MINDS」に参画を表明している企業

MINDSのコミュニティ リーダー(日本マイクロソフト) 山本築氏

「MINDS」の活動については、MINDSのコミュニティ リーダーを務める日本マイクロソフトの山本築氏が説明した。同氏は「ミレニアル世代から情報を発信するが、日本全体が幸せになるための活動にしたい」と語った。

MINDSでは、ミレニアル世代のリーダーとメンバーがディスカッションをしてアイデアを練り、スポンサーを務めるエグゼクティブがそのアイデアの実現に向け、支援する。あわせて、大学生にも働きかけるため、産学連携も目指す。そのために、東京大学先端科学技術研究センター講師の檜山敦氏にアドバイザリーを依頼しているという。

MINDSか活動期間を2019年1月から12月としている。今後、第1フェーズとして、各社における働き方改革の現状を知り、気づきをまとめる。次に、第2フェーズとして、コミュニティで議論して活動内容を決定し、各社でそれを実践して結果を検証する。最後に、第3フェーズとして、各社の実践結果を共有して、政府や経済団体などに提言を行う。

  • 「MINDS」の活動の仕組み

  • 「MINDS」の活動の流れ

なお、日本マイクロソフト内でも独自のミレニアル・コミュニティがあり、「アドバイザリー制度」「社内外への情報発信」「コミュニケーションツールの活用」といった取り組みを行っているという。

  • 「MINDS」のミレニアルプロジェクトリーダー