2018年9月11日、都内にて「SuperStream Forum 2018」が開催された。このフォーラムのなかで、会計/人事給与システムのソリューションを提供するスーパーストリーム社より、AIやRPAといった先端技術を用い、これからの経理・人事の在り方はどうなっていくのかが解説された。本稿ではキーノートセッションに登壇した同社取締役開発本部長 山田 誠氏の講演内容を紹介する。

  • 会場全景

会計/人事給与ソリューションもRPAによる自動化が進む

山田氏の講演は、『SuperStreamのプロダクト責任者が予測する「2025年、激変する経理・人事の姿」』をテーマに展開された。

スーパーストリーム 取締役企画開発本部長 山田 誠氏

スーパーストリーム
取締役企画開発本部長
山田 誠氏

スーパーストリームの会計/人事給与ソリューションは、8,800社の企業に導入されている実績の高い製品だ。1995年に登場した「GLシリーズ」から1999年の「COREシリーズ」、最新の「SuperStream-NX シリーズ」まで、23年に渡って進化を続けており、80製品を超えるパートナー・エコシステムを用意するなど、さまざまな企業のニーズに応えるソリューションとなっている。「2017年6月にリリースした最新バージョン『NX-V2』では、導入企業様のニーズに応えるべく、操作性をはじめ原点に立ち戻って開発しています」と山田氏は話す。

2018年6月に行われたアップデートでは、使いやすさと機能のさらなる向上が図られており、スマートフォンを使って経費精算が行える「従業員モバイルオプション」や、各種クラウドサービスの提供など、利用者の声を反映したアップデートを随時行っている。SuperStream NXは20を超えるプロダクトで構成されているが、2018年7月には「オフィスロボット(経理・人事)」というSuperStream専用のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の提供を開始。これまでの「ヒトがERPを操作」していたソリューションを「AI(人口知能)・オフィスロボットがERPを操作」に対応したソリューションへと進化させた。

  • 2018年6月アップデートのひとつ「従業員モバイルオプション」(左)と、2018年7月リリース NXオフィスロボットの概要(右)

    2018年6月アップデートのひとつ「従業員モバイルオプション」(左)と、2018年7月リリース NXオフィスロボットの概要(右)

「日本の労働人口は減り続けており、経理・人事のルーチン業務はロボットに取って代わられる時代が到来します」

デジタル変革によって効率化が進む現在でも、経理・人事部門には「煩雑な入力業務」「面倒なシステム操作」「膨大なチェック作業」「定期的なアウトプット作業」といったルーチン業務は存在する。SuperStreamユーザ数社の協力によりルーチン業務の定量分析を行ったところ、こうしたルーチン業務の4割は、ロボットで代行することができると山田氏は語る。その実現のために開発された「オフィスロボット(経理・人事)」は、SuperStreamを導入している8,800社の最大公約数的なテンプレートを作成したいという構想で作られているという。Excelでパラメータを設定できるため、複雑な作業なしで導入可能なことが大きな特徴となり、面倒なRPAの開発なしでルーチン業務の自動化を可能にしている。すでに企業独自のシナリオを用意しているという場合も容易に組み込むことができるという実用性の高いソリューションだ。

  • 8,800社の最大公約数としてNXオフィスロボットが代行する経理・人事業務

    8,800社の最大公約数としてNXオフィスロボットが代行する経理・人事業務

講演では、実際に「オフィスロボット(経理・人事)」を使用した業務自動化のデモも行われ、「アニメーションに力を入れました」という山田氏の言葉どおり、デスクトップ上でロボットが実際に業務を行っているようなコミカルな動きで、各種ルーチン作業が行われていく様子が確認できた。

  • 動画(一部)

    公開された動画のひと幕、経理・人事の業務が効率化されていく模様をわかりやすく紹介していた

「実は紙の時代からコンピュータ時代への変革では、経理・人事部門の役割はあまり変わりませんでしたが、これからの“AI・ロボット時代”では、経理・人事の役割は大きく変わってくると思います」

山田氏は、2025年における経理・人事の未来をこう予測する。RPAの活用によるルーチン業務の代行は今後ますます増えていく。これからは企業そのものが、「ヒト」と「ロボット」が融合した組織となり、“オペレーションはロボット”、“ロボット管理者はヒト”という役割の明確化が進むという。今後の企業においては、「ロボット管理者」(Chief Robotics Officer:CRO)が重要なポジションとなると山田氏は語る。ルーチン業務をロボットに任せた経理・人事担当者がCROになることで、「ヒト」と「ロボット」が融合し生産性の飛躍的な向上や新たな価値・気づきが生まれると、山田氏は締めくくる。2025年に到来すると予測される「ヒトとロボットが共存する時代」が垣間見られるセッションといえた。

このほかにも、SuperStream Forum 2018では山田氏の講演のほか、スーパーストリームのパートナー企業による数々のセッションが行われ、NECソリューションイノベータ、キヤノンITソリューションズ、TISおよびそのユーザ企業である三桜工業、日立システムズ、5社の担当者が登壇した。SuperStream NXシリーズの導入・活用事例、最新機能の紹介から、「オフィスロボット(経理・人事)」の詳細まで、企業の経理・人事担当にとっては見逃せないセッションばかりで、数多くの来場者が熱心に聞き入っていた。全体を通して来場者の注目度は非常に高く、これからの経理・人事の在り方や、AIやRPAの活用方法を模索している企業が多いことがわかるフォーラムだった。

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