米Googleは10月16日 (現地時間)、Webブラウザ「Chrome 70」の正式版をリリースした。Windows版がPWA (Progressive Web Apps)をサポート、またChrome 69で導入されたGoogleのサービスへのログインをChromeに反映する仕組みがプライバシー侵害につながると指摘された問題に対処した。

PWAは、Service Worker、Fetchネットワーキング、Cache API、Push通知、Web App ManifestといったモダンなWeb技術で構成され、Webアプリでありながらネイティブアプリのように快適に動作する。バージョン67でChrome OSをPWAに対応させたのに続いて、計画通りにバージョン70でWindows版でのサポートを実現、今後はバージョン72以降でMac版とLinux版を対応させる。

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Googleサービスの自動ログインは、Google製品全体でログインの一貫性を持たせるための変更だった。例えば、ChromeでGoogleアカウントにサインインしていなくても、GmailやYouTubeなどGoogleのサービスにログインすると、GoogleのサービスへのログインがChromeにも反映される。Chromeのツールバー右端のプロフィールアイコンでログイン状態を示し、そこからGoogleサービスのログアウトを行うことも可能。Googleサービスユーザーには便利な変更である。しかし、自動ログインによって「同期機能を有効化してChromeの利用に関するデータを収集している」といった誤解が広がった。実際には、Chrome同期 (ブックマーク、履歴、パスワードなどを同期) のようなChromeの機能を有効にするには、ユーザーによる追加の設定が必要である。

Googleサービスへのログインの一貫した体験を好むユーザーも多く、Chome 70ではオプトアウト方式で、GoogleサービスのログインをChromeに反映させるのをユーザーが解除できる設定を用意した。またプロフィールエリアにおいて、サインイン/サインオフに加えて、Chrome同期の状態もユーザーが一目で把握できるようにUIを改めた。

  • 自動サインインに関する設定

    Chromeへの自動サインインを許可しない設定を用意