NECは4月6日、リストバンド型ウェアラブルセンサーを用いて取得した生体情報から、従業員の長期ストレスを6段階まで高精度に推定する技術を開発したと発表した。

これまで、長期ストレスを把握する方法として最も一般的なアンケートは、数カ月ごとの定期的な状態把握には有用だが、回答者に負担がかかるなどから、頻繁な実施は困難だった。

また、リストバンド型ウェアラブルセンサーによるアプローチでは、取得した生体情報を用いて、ストレスが高い人と低い人の2段階に分別する技術は開発されているが、高ストレスの兆候を検知することはできなかった。

同社は今回、複雑な関連性を持つ生体情報から、機械学習により、長期ストレスに関するストレス値の細かい差異を表現できる適切な生体情報特徴量の抽出手法を開発した。同手法により、長期ストレスを常時推定・把握できるため、高ストレス状態になることを未然に防ぐことが可能になるとしている。

同社で、リストバンド型ウェアラブルセンサーを使って検証したところ、従来技術と比較し、より正確に長期ストレスを推定できたことを確認したという。また、アンケートによるストレス値と比較したところ、平均誤差±3.3で高精度に長期ストレスを推定できることを確認した。これは高低2段階しか区別できなかった従来技術に対し、同技術では高ストレスの兆候を含めて6段階まで区別できることに相当するという。

  • 生体情報の時間経過による変化を捉えることによる推定精度向上の例