Windows 10の次期メジャーアップグレードでプログレッシブWebアプリ (Progressive Web Apps: PWA)をサポートする計画について、米Microsoftが詳細を公表した。同社は、Microsoft StoreにPWAを統合し、WindowsにおいてUWP (Universal Windows Platform)アプリと同じようなユーザー体験でPWAを利用できるようにする。

PWAは、Webとネイティブアプリの利点を兼ね備えたアプリである。Service Worker、Fetchネットワーキング、Cache API、Push通知、Web App ManifestといったモダンなWeb技術で構成され、Microsoftは「ネイティブアプリのように動作するWebサイト」と表現している。Webアプリのようにデバイスを選ばず、HTML5技術によってインタラクティブで表現力の高いアプリを構築可能、URLを使って簡単に共有できる。そしてネイティブアプリのように快適に動作し、Service Workerによってネットワーク環境が良くない場所やオフラインでも利用できる。

これまでGoogleがPWAの普及を推進してきたが、Microsoftもプレビュー版のEdgeHTML 17.17063からService WorkerとPush通知をデフォルトで有効化しており、さらにWindowsにおいてユーザーがより快適にPWAを利用できるようにPWAをサポートする。それがMicrosoft Storeへの統合だ。EdgeHTMLはUWPの基盤技術の1つであり、ユーザーはEdgeブラウザを開くことなく、UWPアプリと同じようにMicrosoft Storeにおいて必要なPWAを探し、インストールして実行できる。導入したPWAはStartに登録でき、Cortana検索の対象にもなる。

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これから数週間中に、Webからクロールしてインデックス化した良質なPWAをMicrosoft Storeにリストするテストを開始する。また、開発者からのPWAの登録申請も受け付ける。そしてWindows 10の次期メジャーアップグレードで、Microsoft Storeを通じてPWAを提供し始める計画だ。

PWAがMicrosoft Storeに統合されると、PWAとUWPアプリのどちらを開発するかが開発者の悩みどころになりそうだが、Microsoftは各プラットフォームの長所をフル活用し、また細部に至るまで磨き上げたUXを実現するならネイティブアプリ、Webと複数のプラットフォームで同じルック&フィールを実現したり、Webを活かした製品である場合はPWAが適しているとしている。